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貧血だけじゃない?!鉄不足は危険信号!鉄を摂って快適な体づくりをしよう
こんにちは。
残暑が過ぎ、夜は少し肌寒いなと感じるような風を感じ始め、短い季節だけれど1番好きな秋がもうくるんだと思うと、嬉しい気持ちになります。
秋は体調の変化や夏に溜まった疲れが出やすい季節ですが、体調はいかがですか?
今回の記事は、私たちの体にとって大切な栄養素の「鉄」についてです。
不足すると免疫力に影響? 鉄の働き
よくテレビCMなどでも「貧血、動悸、息切れには鉄!」と謳っていたりしますが、体内での鉄の働きを詳しくご存知ですか?
人間の体で、鉄は60〜70%が血液、約4%が筋肉、残りは肝臓や脾臓や骨髄に存在しています。
大部分を占めている血液の中の鉄は、赤血球中のヘモグロビンの材料になります。
ヘモグロビンは体中に酸素を届けるという大切な役割を担ってるので、鉄不足は細胞の酸欠状態を起こしかねません。
先ほど鉄が体内でどこに存在しているかを書きましたが、鉄はただ各器官に存在するだけでは無く、色々なところで様々な働きをしてくれています。
体内で発生しすぎると細胞を傷つけ、病気の根源となる活性酸素の除去にも鉄は関わっていますし、不足してしまうとうつ病の原因にもなる神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)の生成の補因子でもあります。
またエネルギー代謝にも必須ですし、免疫力も上げてくれます。
日本人女性はほとんど鉄不足!?
なぜこんなにテレビでも女性誌でも「鉄を摂りましょう!」と言うのでしょうか?
何故なら、生理のある日本人女性の9割が鉄不足と言われているからなのです。
女性が鉄不足になってしまう理由は、毎月の生理でも出血があること、また食品からも必要な量の鉄やタンパク質が摂れていないことが大きな理由です。
他国に比べて日本人女性が鉄不足になりやすい理由は他にもあります。
欧米の女性は鉄分を多く含む肉を日本人の3倍食べていると言われてますし、欧米を含む数十カ国の国では、小麦粉にあらかじめ鉄が添加されていたり、小麦粉以外では塩、米、しょう油などに鉄が添加されている国もあります。
このように海外の国々で行われている鉄補給対策ですが、日本の食品には対策が行われていないので、私たちは自力で鉄分補給をする必要があります。
鉄不足はヘモグロビンの減少だけではない!?
よく血液検査をした時に、「ヘモグロビンの数値は基準値内だし、鉄不足や貧血は心配しなくていいか〜」と思うかもしれませんが、基準値内だとしても、ヘモグロビンの数値の理想は13.5以上が望ましいという医師もいます。
また鉄不足や貧血を判断するのはヘモグロビンの数値だけではなく、「フェリチン」の数値を測る必要があります。
このフェリチンというのは、鉄と結合しているタンパク質の一種で、体内の細胞の中に存在しています。
よく医師が言うのは、ヘモグロビン値は日常的に使うお財布のお金、フェリチン値は貯金という例えです。
お財布のお金がある程度あったとしても、貯金がなければいざという時には、家計は大変なことになりますよね。
女性は妊娠・出産で、母体から赤ちゃんにたくさんの鉄を送ります。
しかし、母体の鉄分を使い切り、さらにフェリチンが少ないと赤ちゃんに送れる鉄も減ってしまいます。
そのくらいヘモグロビンもフェリチンも大切なのです。
また妊娠・出産の経験の有無に関係なく、やはり鉄はすべての女性にとって大切なものです。
鉄不足によって、頭痛、疲れやすさ、肌や髪の艶のなさ、憂うつ、不安感、動悸、めまい、イライラ、不妊、うつ病など様々な不調が起きます。
体内に吸収された鉄は赤血球に優先的に運ばれ活用されるため、鉄不足だと体の隅々まで回す鉄が無く、このような不調が出てきてしまいます。
鉄をもっと意識的に摂りましょう!
なんだかいつも疲れがとれないな、イライラしがちだな…など体の不調を感じる方は一度血液検査でヘモグロビンに加え、フェリチンの数値を測ることもおすすめします。
その上で鉄不足から脱却すべく、鉄分を積極的に摂るようにしましょう。
鉄分を摂る方法としては以下の方法があります。
・肉や魚などの動物性食品や野菜などの植物性食品から摂る(動物性のほうが吸収率は良い)
・サプリや鉄を補充するシロップを飲む
・鉄の調理器具を使う(鉄鍋、鉄瓶など)
・鉄の玉を調理に使う(鉄玉子など)
鉄を含む食品としては、ヘム鉄を含む動物性食品(肉や魚など)と非ヘム鉄を含む植物性食品(野菜など)がありますが、体内への鉄の吸収率はヘム鉄のほうが良いのです。
しかし、赤身の肉や魚を食べる量や回数が少なく、また土壌のミネラル減少により農作物から摂れる鉄分も今は減ってしまっています。食事は様々な食材をバランス良く食べることが基本ですが、鉄を摂るという観点では、主に動物性食品から摂ったほうがより効率的と言えます。
前述のフェリチンがタンパク質の一種ということや、細胞は主にタンパク質からできていることからも分かるように、鉄分と一緒にタンパク質の摂取も健康な体づくりには欠かせません。
積極的に摂って欲しいおすすめ食材
ヘム鉄を多く含む食材(主に動物性タンパク質から・吸収されやすい)
・牛赤身肉
・レバー
・アサリ、ホタテなどの貝類
・煮干し
非ヘム鉄を多く含む食材(主に植物性タンパク質や野菜から・吸収されにくい)
小松菜、サラダ菜、水菜、ほうれん草、サニーレタスなどの葉物野菜
ブロッコリー
鉄の吸収が良くなるビタミンCを多く含む食材
レモン、ピーマン、いちご、ブロッコリー、芋類
タンパク質の記事についてはこちらから
三大栄養素の一つ・タンパク質を摂ろう!!
タンパク質以外にも、ビタミンCは鉄を吸収しやすい形にかえたり、ヘモグロビンの生成を促してもくれるので、動物性食品(ヘム鉄)とビタミンCを一緒に摂ることもおすすめですよ。
逆にコーヒーや紅茶や緑茶に多く含まれているタンニンは、非ヘム鉄の吸収を阻害するので、食事中に一緒に取るのは避けましょう。(ヘム鉄は吸収阻害は受けにくいです。)
また鉄が十分に足りていたとしても、うまく体内で利用できずに不調が現れるという場合もあります。
うまく鉄を利用できない理由としては、腸内環境の悪化、肥満や脂肪肝、ストレス、アトピー性皮膚炎などの理由があります。
このような理由がある時には、腸に吸収されなかった鉄は悪玉菌のエサになってしまうのです。
そういう場合には添加物の多く含まれるお菓子やジュース、小麦製品を控えた食生活にすることを医師も薦めています。
自分の体の声に耳を傾け、日頃の食生活を見直し、鉄分は足りているか、また他に自分に足りていない栄養素は何かを考えながら、しっかり栄養補給をしましょう!
参考文献
・『食べてうつぬけ 鉄欠乏女子救出ガイド』(主婦の友社) 奥平 智之
・『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』(方丈社) 藤川 徳美
・『一生役立つ きちんとわかる栄養学』(西東社) 飯田 薫子 寺本 あい
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