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女の人生を揺るがす女性ホルモン 〜Part2〜
さて、今回は女性ホルモンにまつわる月経前症候群(PMS)と更年期についてです。
女性の皆さんは、多くの人が経験していると思います。
|女の人生を揺るがす女性ホルモン 〜Part1〜 はこちら
季節美活|男性も必見!女の人生を揺るがす女性ホルモン 〜Part1〜
これも、あれも、ホルモンバランスからきていた

まずは月経前症候群(PMS)についてお話しします。月経前症候群とは、月経の3〜10日くらい前に心や体に起こる不調のことです。
心の不調では、イライラしたり、不安になったり、落ち込みやすくなったり…という症状が出てきます。
体の不調では、食欲不振もしくは過食になったり、頭痛や腰痛、便秘などの症状が見られます。
そして月経が始まると、それらの不調は消えていきます。
月経が終わってから1週間ほどすると、排卵が起こるのですが、排卵後から増加するプロゲステロン(黄体ホルモン)が月経前症候群に関わっていると考えられています。また、排卵後は自律神経を安定させてくれる等の作用のあるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減るため、感情のコントロールが難しく、精神的に不安定になりやすいと言われています。
この月経前の症状は、すべての女性に当てはまるわけではなく、症状の軽い人と重い人がいます。これは女性ホルモンが増減する変動に対して弱い人が、より重い症状になっているのではないかと考えられています。
人によっては、心の不調が強く出て、なんだか怒りっぽくてイライラしたり、「なんでこんな気持ちになっちゃうんだろう…」と自己嫌悪に陥ったり、落ち込みが激しく辛いこともあるでしょう。ただ、これらの症状はホルモンバランスが乱れていることが原因ではなく、逆にホルモンが正常に働いているために起こります。心や体が不調な時は、無理をせずに静かにゆっくりと過ごしましょう。
ホルモンを知って、自分を大切にしよう
月経前症候群は治療で改善することもできます。主な治療方法としては、ホルモン療法と漢方療法です。
症状があって辛いと感じる方は、無理して「このくらい月経前なら当たり前だ」なんて思ったりせずに、婦人科や漢方医院に相談してみてください。
また、自分の月経がいつきていつ終わっているのか、また不調はいつ、どんな症状が現れたのかを、カレンダーや手帳に記入しておくこともおすすめです。自分の月経や不調のサイクルが分かることで、「今週は月経1週間前だから無理せず過ごそう」、「今週のこの日に不調が現れるかもしれないから、仕事後はまっすぐ家に帰ってゆっくりしよう」というように、事前に心構えや過ごし方の予定が立てられ、いつもより自分の心や体を優しく労ることができると思います。是非やってみてくださいね。
ホルモンの大変動期:更年期
20代、30代になって婦人科に通うことも増えてきて気づいたことは、患者さんの年齢層が上の方々は50〜60代くらいの方までと幅広いなぁ…ということです。患者さん一人ひとり、抱えている悩みはそれぞれだと思いますが、上の年代の方たちを見て頭に思い浮かぶのは、やはり「更年期」。これは全ての女性が通る道であり、避けられないことなのです。
女性は40〜50代で、毎月の月経を起こし、妊娠・出産をサポートしてくれていた女性ホルモンの分泌が減っていき、多くの人は50歳前後で閉経を迎えます。この閉経を挟んだ前後5〜10年間のことを更年期と言います。
更年期になると、卵巣機能が低下し、女性ホルモン分泌のための脳と卵巣の連携プレーが乱れることで、自律神経にも影響を及ぼし心と体に様々な不調の症状が現れます。その症状が重く、日常生活にまで支障をきたす状態を、更年期障害といいます。
更年期の症状は、月経の周期や量の変化、ホットフラッシュという発汗やほてり、全身の倦怠感、不眠、イライラ、気分の落ち込み等、実に様々です。
つらい更年期障害は治療も可能

このように症状を挙げると更年期を迎えるのが怖くなってきますが、約8割の人は日常生活に支障をきたすほどではない、やり過ごせる程度の症状だそうです。そして、更年期の症状はずっと続くわけではなく、必ず治まっていきます。
しかし、日常生活に支障をきたすほど辛い場合には、治療を受けることもできます。治療方法はホルモン補充療法、プラセンタ療法、漢方薬などがあります。人によって症状が違う更年期。辛いと感じたら、我慢をせずに早めに医師に相談しましょう。
今回は2回にわたって女性ホルモンについてお話ししました。
女性の体の中でダイナミックに行われているホルモン変動。この働きを知った皆さんの生活がより心地良いものになったり、何か良い方向へ改善できるきっかけになれることを願っています。
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参考文献
・『わたしのカラダは、私が守る 女性ホルモンの教科書』(日経BP社)黒住紗織・佐田節子?著、日経ヘルス?編
・『女性ホルモンと上手に付き合うコツ これってホルモンのしわざだったのね』(池田書店) 松村 圭子
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